看護師からみた【医学的根拠がある入浴法】良い入浴法で5つの効果あり!
お風呂大好き民族の日本人には、とてもいいお話をひとつ。
あなたはどのようにお風呂に入りますか?
ぬるめのお湯にゆっくり浸かりますか?
それとも熱いお湯でサッと入っちゃいますか?
お風呂には、とっても身体に良い入り方があります!
(前半では入浴の作用、後半では良い入浴法を)
シャワー派の人も、ぜひ湯船に浸かってください。
まずは、5つの効果からご紹介です。
①温熱作用
温かいお湯に肩まで浸かると、体温上昇し血行がよくなります。
体の表面が温められ、皮膚の下まで熱が伝わって血管の拡張(血管が柔らかくなって広がること)が起こることで、血液の流れがよくなります。
血行が良くなると、血液中の酸素や栄養分が体の隅々の細胞まで運ばれ、体に溜まっていた二酸化炭素や老廃物が回収されます。
回収された二酸化炭素は、肺を通って呼吸として体の外に排出されます。
血流とともにリンパの流れも良くなり、免疫力も向上します!
新陳代謝も活発になり、美肌効果を期待できます。
脂肪燃焼もされやすくなり、ダイエットにも効果的です!
また、体が温まることで筋肉や関節の緊張がほぐれ、肩こりや腰痛、筋肉痛が緩和されるという効果もあります。
②静水圧作用
聞きなれない言葉だと思いますが、これは水に浸かったときに体にかかる水圧のことです。
お湯に肩まで浸かると、主に腹部から下半身に水圧がかかります。
湯船に入っている間だけお腹が引っ込んでいるのに!と思いますよね?
それは水圧がかかっているからです。
ずっと水圧がかかっていたら私もスリムなのに…
重力で足に溜まった血液や体液(いわゆるむくみ)が、この静水圧によって心臓まで押し戻されます。
肺で老廃物を排出した血液が心臓に戻り、きれいになった血液を全身に送ります。
お風呂に入った時、オシッコしたくなりませんか?
水の音を聞くから…というだけではありません。
これは、足に溜まった余分な水分が血流促進で腎臓でろ過され、いらない水分がオシッコとして排出されるためです。
ここで注意!急に立ち上がらないでください!
お湯に浸かっている間に水圧で押さえつけられていた血管は、湯船から出た瞬間に開放されて、血液が一気に流れ出します。
血管が拡張している(血管が柔らかく緩んでいる)状態から、お湯から出て重力がかかることで一気に血液が下にさがります。
失神やめまいを起こし、倒れることがあるのはそのためです。
普段から血圧が低い人、心臓に病気がある人や高齢者の方は特に、浴槽内で急に立ち上がらないようにしましょう!
湯船から出て目の前がまっくらになって倒れそうになったときは、慌てずにすぐしゃがみこんでください。
そして、膝から下に冷たい水をかけましょう。
膝から下の血管がキュッとなることで、血液が上に戻りやすくなります。
③浮力作用
浮力は主に、精神的な作用が期待できます。
お湯に肩まで浸かった場合、その体重は浮力によって10分の1になります!
体重が50㎏の人だとたったの5㎏!
水中ではその体重の分だけ支えればいいので、足腰の筋肉や関節の負担が軽減されます。
もう、学校や仕事、嫌なこともひっくるめた地球(重力)からの解放ですよ!
全身の筋肉が緊張から解放され、心身ともにリラックスします。
リラックスすることによりホルモン分泌が促され、ストレスを解消する作用がはたらきます。
入浴により副交感神経が優位な状態になり、βエンドルフィン(ストレス緩和に効果がある)や、セロトニン(気持ちを安定させストレスに強くなる働きのある)の分泌が活発になるためです。
これらのホルモンで、寝つきがよく質の良い睡眠が得られます。
④粘性、抵抗性作用
こちらも聞きなれないことばですよね。
これは、ニュートン力学の計算があるのですが…私が苦手な分野です…
簡単に言えば、水中では素早く体を動かそうとしても動かせませんよね。
より早く動かそうとして感じる力、これが粘性・抵抗性です。
身体を動かして、出した力の分だけ体への負担がかかってきます。
なので、お風呂に浸かりながら手足を動かすだけでも良い運動になります。
プールに行って水中で歩くだけダイエット!など実践している方は、難しい計算をせずにニュートン力学を体で学んでいる方ですね!
⑤清浄作用
もちろん、お風呂に入る一番の目的はこれでしょう!
今日1日の汚れを洗い流す!
ゴシゴシ擦っていませんか?←私はついついゴシゴシ…
お湯に浸かることで毛穴が開き、毛穴の汚れや皮膚の汚れが落ちやすくなります。
無理に良い角質まで剥がしてしまわないようにゴシゴシこすらず、石鹸を良く泡立てて優しく洗ってください。
皮膚を清浄にすることによって、皮膚を正常に保つことができます。
また、新陳代謝も正常になり、美肌への近道です。
後半【具体的な入浴法】へ続く。