注射が得意な看護師が教える【注射のコツ】新人看護師さん!今こそ詰め込まれた知識を活用するときですよ!
業務の中で、注射が一番苦手!と思う看護師は多いです。
看護学校では、血管注射は教科書の知識と腕の模型を使ったものです。
国家試験に合格して看護師免許をもらわないと、実際の注射はできません。
(筋肉注射は学生の時にお互いに練習する怖い体験です)
新人さんは、もうそろそろ患者さんに注射や点滴をさせられる時期ではないでしょうか?
緊張しますよね!
私が初めて針を刺したのは、祖父です。
私に看護学校に行くように強くすすめたのが祖父でした。
祖父が胃がんで入院をし、そこに、言われるがまま就職しました。
指導の看護師が
「おじいちゃんの血管立派だから、点滴してみて」
説明もなしにどうぞと。
頭の中の知識はあります。シミュレーションもしてます。
いざ刺そうと思っても手が震え、定まりません。
膝までガクガク震えて、ワキ汗も肘まで垂れてくるほどでした!
かなり痛かったことでしょう…
あとで聞いたところ、祖父が自分から言ったそうです。
私の点滴の練習は自分でしてくれと。
実は私、未だに身内や友人だと無駄に緊張しまくるんです。
でも、祖父の血管は、ほんとに刺しやすく立派でした!
それで自信がついたかというと、そうではありません。
どちらかというと、自信喪失です。
祖父の血管は立派でしたが、ほかの患者さんは細い血管ばかりで失敗しまくりました。
そんな私が、看護師1年目で注射大好き!と言えるほどになりました!
2年目には、ベテラン看護師からも頼まれるほど上手になりました!
一番の成功のコツは、血管を見つけること!
『その血管がないのよ~!』と嘆かないでください。
血管は誰でもあります!
細い血管だからと駆血帯をきつく巻くと、動脈も圧迫されて肝心の静脈に血液が回りにくく探しにくくなるので注意です!
おすすめの駆血帯は、平べったいバンド式のものです。
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↑私はこれを使っています。
特に小児や高齢者では、従来のゴム管の駆血帯よりだんぜんバンド式がいいです!
駆血帯をきつく巻いても血管がわからないときは、一度外して血液を循環させてから再度挑戦です。
最近はあまりいませんが、血管が出てこないからとパンパン叩くことは逆効果です。
昔は、血管の怒張を促すことと刺す痛みを和らげるということでやってた看護師も多かったですが、根拠はありません。
それどころか、赤くなって見えにくく、痛みが生じたことで血管を収縮させてしまいます。
血管の怒張を促すのには、指先で血管をトントントンと軽く刺激します。
血管に『入っていいですか?』とお伺いを立てます。←これは心の中のおまじない。
血管が出にくい患者さんの場合は、普段はどこに刺していますか?と聞いちゃっていいです。
患者さん自身もそれをわかっている方がほとんどです。
だいたいそこがベストな血管なので、遠慮せずにいきましょう!
血管を見つけたら、迷いを捨てましょう。
ためらったりすると、心もぶれますが針先もぶれます。
じわりじわりと刺すと失敗しやすく痛みも増すので、勢いをつけます。
(勢いをつけすぎて血管をぶち破らないように…)
刺すときは、血管を触りながら確認しながらもいいですが、穿刺部の手前から血管を軽く引っ張るようにすると入りやすいです。
血管が逃げにくく、皮膚が引っ張られることで針先が入りやすくなります。
あとは、患者さんの前では堂々と!
どんなに注射が苦手でも、患者さんの前では『注射なんてお手のもの~』くらいの気持ちで臨んでください。
看護師が緊張しているとその気持ちが患者さんに伝わり、患者さんも緊張します。
緊張させてしまうと血管も収縮してしまいます。
どんなにワキ汗かいててもいいんです!患者さんに悟られなければ!
とは言っても、慣れるまでは緊張するものですよね。
頑張ってください!
失敗しても新人だからしょうがない、と強気で臨むことが大事です。
緊張しまくっているよりも、そのほうが成功します。
採血と違って注射や点滴は、注射薬を注入しなければいけません。
点滴は漏れがないことを確認して針先が動かないように固定します。
ちゃんといいポジションに入っていて、患者さんが動かなければそうそう漏れることはありません。
(病気や状態によっては漏れやすいこともあるので、観察は必要です)
注射は、翼状針であればテープで固定して動かないようにできますが、普通の注射針であれば内筒を押している間に針も押し込んでしまわないように、しっかり固定します。
私は患者側で、押し込まれた経験が何度もあります。
ちょっとずつ押されているな~と思っているうちに血管を突き破ってきます。
皮下に漏れるとかなり痛いです!
このときに、刺してる看護師側は気付きにくいようです。
液を入れる速度にばかり目がいってるためです。
この時は、残量を見てどうするか決めます。
残量がほとんどなければ『もう抜いて』と言います。
残量が少ないけどまだあるときは『少し針を引いて』と言います。
この場合は多少皮下にも洩れますが、刺しなおすほどの量でもなく、血管内にもどせばいけるだろ、との判断です。
残量が半量以上あるときは『刺しなおして』と言います。
医療者が受ける側だとどうすればどうなるとわかっているし、自分がどの程度痛みを我慢できるかによります。
薬液の種類にもよります。
少ない量できっちり量が決められているものは全て入れなければ効果が期待できません。
逆に、健康な人が元気になるために打つ、いわゆるニンニク注射などは、多少残ったとしても大丈夫です。
しかし、患者さんの中には全部入れないと効果がないと思い込んでいる方が多いです。
点滴の管に残っている薬液、注射針の中に残っている薬液さえ全部入れてくれ!という方もいます。
思っていても言わない人もいますが、だいたいみんなそう思っていると考えて臨んでください。
くれぐれも患者さんの注射には気を付けてください!
漏れていても痛くても『注射は痛いものだ』と思ってる患者さんは、なにも言わずに我慢します。
『痛い!』と言う患者さんのほうがわかりやすいですが、口に出さない方のほうが多いです。
うまく血管に入っていなければ、内筒に圧を感じます。
圧を感じたときは逆血を確認しましょう。
苦手という方は、初めから翼状針を使ってください。
普通の注射針より翼状針のほうが高いので、病院によってはなかなか使わせてくれないところもありますが、自分の手技が不安で患者さんに苦痛を与えたくないと言いましょう。
(それでもダメだと言われたら諦めて、自分の腕を磨くしかないです)
次は注射の中でも特に苦手とされる留置針のお話です。
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