胃カメラが怖い!上手に受けるコツってないの?痛みなく受けたい胃カメラ
検診や胃の不調で胃カメラを受けなければいけないけど、怖いな~
痛い?キツイ?
とよく聞かれます。
そんな私は、20代前半の頃から胃カメラを受けまくってます。
胃カメラが怖いから麻酔をしてほしいという患者さんは多いです。
眠っている間に終わらせてほしいと思うのはわかります。
けれど、ほんとうに必要でしょうか?
私は初めて胃カメラを受けたときに、先生がすすめてくれたので鎮静剤を打ってもらいました。
けれど、恥ずかしい思いをしたので、それ以降は鎮静剤はなしです。
(そのお話はこちら)
上手な受け方のコツをお教えします。
胃カメラの受け方
まずは前日からの準備です。
手順書をもらうので、それにしたがいます。
前日の夜9時頃までに食事を終える。
受ける時間や病院によっては夜10時までというところもありますが、早めに済ませておく方がいいです。
夕食はなるべく消化に良いものを食べます。海藻類やキノコ類などは胃に残ることもあるので避けます。
睡眠薬などは問題ないですが、薬の種類(血液をサラサラにする薬など)や胃カメラの時の処置によっては服用を一時中止するものもあるので、指示に従ってください。
夜のおやつは我慢です。
当日は、コップ1杯の水を飲む(これも指示された時間に)
暑い時期などは脱水になることも考えられるので、事前に病院で聞いておいてください。
たくさん飲んだり、ジュースやお茶、コーヒーなどを飲むと検査ができなくなります。
朝ごはんはもちろん抜きです。
普段飲んでいる薬も飲みません(糖尿病の注射などは指示に従います)
胃カメラ検査直前
受付で、上記のことを聞かれます。
何時に食事を終えたか、薬(普段飲んでいるもの)は飲んだか、その後は食べてないか、水分は摂っているか、ジュースは飲んでないかなどなど…
持病や普段服用している薬、体調なども聞かれます。
前にも言ってるのに…と面倒だと思われるかもしれませんが、検査前の確認は重要です。
正直に答えてくださいね。
なにやら水薬を飲まされます。
これは、胃の中の泡を消す薬です。
胃の中に泡がたくさんあると胃の表面を観察しにくく、検査の時間もかかってしまいます。
味は美味しいものではありませんが、苦くもなく量も少ないのでためらわずにいきましょう!
胃の動きを止めるために、肩に筋肉注射をすることがあります。
この注射は、心臓の病気や目の緑内障、前立腺肥大など病気によってはしてはいけないものがありますので、胃と関係ないと思う病気でも事前に伝えておきます。
喉の麻酔は、病院によって少し違います。
麻酔の液体を口に含み、上を向いて喉の奥に置いて数分待って飲み込む、もしくは吐き出す。
同じく麻酔の液体を含み、上を向いてうがいをするようにガラガラしてから飲み込む、もしくは吐き出す。
麻酔の液体を凍らせたものやゼリーのように固めたものを口に含み、なるべく喉の奥の方でゆっくり溶かしながら飲み込む、もしくは吐き出す。
(病院によって、飲み込むように言われたり吐き出すように言われたりするので、それに従ってください)
形は違いますが、共通するのは、一度に飲み込まないことです。
胃カメラでいちばんキツイ喉に麻酔を効かせるために、喉の奥の方にとどめておく必要があります。
味は苦みがありますが、嫌な苦みではないし、苦しさを軽減するためと思って我慢しましょう!
(鼻からの場合は、両方の鼻の穴に麻酔のゼリーを入れます)
麻酔の効き具合によって、口から検査を受ける場合は、喉に麻酔のスプレーをかけます。
この時の注意は、スプレーするときに息を吸わないことです。
気管に吸い込んでしまうと、むせるだけでなく、気管に麻酔が効いてしまいます。
(私は一度タイミングが合わずに強く吸い込んでしまったことがあり、しばらくむせが止まらずに検査が遅れました)
喉の麻酔をしたあとは、唾液を飲み込まずに吐き出します。
飲み込む場所に麻酔を効かせるため、飲み込む動作がうまくできずに気管に入ってしまうことを避けるためです。
麻酔をしたあとは喉が腫れているような違和感と、ゴックンしたくなるような感覚がありますが、なるべく我慢です。
いざ!胃カメラ飲みます!
ベットに横向きに寝てマウスピースをくわえます。
この時に、気持ちうつぶせ気味に寝ます。
マウスピースは前歯で軽く噛み、力を入れないようにします。
唾液は、マウスピースの横から垂れ流しの状態です。
目はしっかり見開いたり、ぎゅっとつぶったりしないように、力を入れずやや下の方をぼんやり眺める感じです。軽く閉じるのもいいです。
最近は患者さんが見れるような画面があることが多いので、その画面の位置も動かしてもらいましょう。
(画面がないときは、残念ながら先生の太ももや股間辺りに目がいきます…)
カメラが喉を通るときは、全身の力を抜きます。
特に肩、首回りなどの力を抜くようにします。
どうしても緊張して体はかたくなりますが、力が入っているとカメラが入りにくく、その分苦しさが増します。
一番の難関!
喉の『オエッ』となるところが、一番の難関です。
カメラが喉の奥にくると、先生が『飲み込んでください』というタイミングでゴックンします。
『はい、ゴックン』と言ってくれる先生なら、こちらが飲み込むタイミングに合わせてカメラを進めるので、とてもスムーズです。
『オエッ』となるのは体の正常な反応ですが、なるべく我慢します。
オエッとなると、カメラが押し戻されてしまいます。
(これを避けるために喉の麻酔をします)
胃に入ってしまうと、喉の違和感があるだけです。
胃の隅々を見るためにカメラを動かすので喉の違和感はあります。
力を抜くことと、ゴックンしないことで軽くなります。
ゴックンすると喉が締まり、カメラを挟んで違和感が強くなると同時に、カメラが動かしにくくなります。
意識をして力を抜きます。
胃のしわを広げて見るために、胃に空気を入れて膨らまします。
この時にゲップが出ますが、出してしまうとまた空気を入れなければいけないので、できるだけ我慢します。
十二指腸まで見る
胃カメラは、胃の先にある十二指腸まで見ます。
胃から十二指腸には筋肉で閉まっている門があります。
そこを通るときに胃が突っ張る感じや押される感じがあります。
お腹の中から突き上げるように感じることがありますが、先端が尖っているわけではないので突き破ることはありません。
強い痛みではありません。
抜くとき
十二指腸まで見たら、あとは抜くだけ!
ではありません。
早く抜いて~!と思っちゃいますが、帰りにも観察します。
抜きながら、胃や食道も見ます。
けれど、もう苦しいことはありません。
終わりが見えている分、楽勝です。
カメラが抜けていくのを喉で感じながら、出てしまったらスッキリです!
マウスピースを外し、ヨダレでべとべとになった顔を拭きます。
ティッシュをたくさん渡されたり、箱ごとくれたりするので、遠慮なく使いましょう!
この時もまだ喉の麻酔が効いているので、なるべく飲み込まずに吐き出します。
うがいをして終了です。
なによ~!
結局我慢ばっかりじゃない!
と思いましたか?
そうです。
検診であれば、たかが5分~10分。
人生に我慢することは多くあります。その中でたかが数分。
鎮静剤を使うと楽ですが、そのあとふらふらします。
眠気がなくなるまで、ふらつきがなくなるまで、病院で休んでいなければいけない場合もあります。
そんなに長く病院にいたくないですよね?
もちろん、車や自転車の運転はダメです。バスや電車に乗ることになりますが、眠くなって乗り過ごします。
(タクシーや、家族の車なら問題ないですが)
鎮静剤を打っても、全く効かずに苦しかった、痛かったという方も多いです。
ということをふまえ、数分の我慢です。
嫌なことはさっさと終わらせちゃいましょう。
胃カメラをさんざん受けてきた私は
『我慢すればすぐ終わる』
と思って臨んでいます。
嫌々言って、うだうだする方が検査時間が長くなります。
怖いから受けたくない、苦しいから受けたくない。
病気が発見されたら怖いから受けたくない。
そういう人は多いです。
医療者にも多いです。←看護師はわかってるはずなのに、ほんっとに多いです。
けれど、もし病気があった場合、軽いうちに治療すれば治る確率も高いです。
胃カメラの時に一緒に治療しちゃえば済むこともあります。
検査が怖くて先延ばしにしていれば、病状が悪化して手が付けられない状態にまでなる可能性もあります。
検診で受けなければならなくなった、という方はラッキーです。
調子が悪くて受診したら『いつにする?』と言われた方が先延ばしにしてしまいがちだからです。
調子が悪くて胃カメラをするときは、口からすることをおススメします。
鼻からやって異常があって治療が必要な場合は、口から入れなおすことも考えられるからです。
(鼻からのカメラは細いので、薬などが入れられない場合があるため)
異常がない検診では鼻からでもいいですが、今まで鼻からやった人で楽だったとはあまり聞きません。
(私は鼻からはしたことがありません)
鼻から入れる場合は、鼻の奥でカーブをして喉の方に通します。
そこを通すときに痛かったり、なかなか通らないことがあると聞きます。
どちらにしろ喉の違和感はあります。
片方の鼻の穴で通りにくいときは、もう片方の穴で試します。
麻酔をしているとはいえ、どっちの鼻の穴も突っ込むかもしれない!
鼻と喉の2か所もキツイところがあると考えただけで、私は嫌です。
ですが、鼻からのカメラの方が細くて、オエッとなるところを通らないのは確かです。
症状などがあれば、主治医と相談してください。
覚悟を決めてリラックスするのがいちばんですよ。
そのリラックスが難しいですが、検査受けるときにジョークでも飛ばしてみてください。
検査につく看護師は、わりと一緒に笑ってくれるはずです。(たぶん…)
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